美味しいワインをつくるために、こころみ学園の葡萄畑では、葡萄の収量を制限しています。
初夏、緑の葡萄を摘房し半分以上を間引きします。このグリーンハーベストによって得られた酸味のある葡萄果汁がベルジュ(仏:Verjus)です。
「このまま飲むベルジュ」はこの緑の若摘み葡萄を活用しココ・ファーム・ワイナリーのワインビネガーや蜂蜜を加えた爽やかな飲み物です。 よく冷やしてこのままお召し上がりください。
※このまま飲むベルジュには蜂蜜が入っていますので、1歳未満の乳児の飲用はお控えください。
容量:200ml×6本 Alc.0%ノンアルコール
「このまま飲むベルジュ」 誕生の背景
1950年代、栃木県足利市の特殊学級の中学生たちとその担任教師(川田昇)によって、足利市北部、田島町の山の急斜面に葡萄畑が開墾されました。
1969年、この葡萄畑の麓に障害者支援施設こころみ学園(社会福祉法人こころみる会運営)がスタートしました。このこころみ学園で葡萄からワインをつくろうとしましたが、当時、社会福祉法人にはワインをつくるための果実酒製造免許が下付されませんでした。
そこで、1980年、川田昇の考えに賛同する父兄たちの出資によって有限会社ココ・ファーム・ワイナリーが設立され、1984年ココ・ファーム・ワイナリーが果実酒製造免許を取得しワイン造りがはじまりました。
開墾以来、除草剤を撒いたことのないこの葡萄畑には、たくさんの草花や昆虫が育ち、いろいろな鳥や小動物がやってきます。時には猪や鹿などもやってくるこの山の葡萄畑では、こころみ学園の園生たちが1年中空の下で、剪定後の枝を拾ったり、草を刈ったり、葡萄の房に傘や袋をかけたり、葡萄の世話をしています。
良質なワインをつくるためには良質な葡萄が必要です。良質な葡萄を育てるための重要な農作業のひとつが、初夏、葡萄の収量を2分の1~3分の1に制限し、ワインに大切な要素を残りの葡萄に凝縮させていく間引き(摘房)作業です。2009年以前、この間引きによって切り落とされた緑の葡萄は廃棄されていました。
2010年、こころみ学園の葡萄畑で、葡萄の収量制限のために間引き(摘房)された緑の葡萄を余すところなく使用する「ベルジュ風*葡萄酢」が開発されました。
「ベルジュ風*葡萄酢」は、こころみ学園のグリーンハーベストの緑の葡萄に、ココ・ファーム・ワイナリーのワインビネガーや蜂蜜を加えた3倍希釈の飲む葡萄酢です。
この「ベルジュ風*葡萄酢」をより美味しく手軽にお飲みいただけるよう、新しい時代の予感のなかで、数々の困難を乗り越え、数々の試作を繰り返して、2023年夏「このまま飲むベルジュ」が完成しました。
こころみ学園の自然豊かな葡萄畑から生まれた「このまま飲むベルジュ」は、2023年秋ココ・ファーム・ワイナリーから新発売です。
「このまま飲むベルジュ」の魅力
ワイン用の葡萄は、初夏、グリーンハーベスト(緑の収穫)が行われます。美味しいワインをつくるために、摘房(間引き)して得られる緑の葡萄は、小動物や虫からその実を守るために、殺菌作用、抗酸化作用のあるポリフェノールを多く含んでいます。この間引き後、捨てられていた緑の若摘み葡萄を大切に摘み取り、誕生したのが「このまま飲むベルジュ」です。
ちなみに、ベルジュ(verjus:仏)とは緑の未熟ブドウを搾った酸味があるジュースのこと。ヨーロッパの葡萄産地では、古くからこの緑の葡萄を搾って、レモン汁や酢などの代わりに料理の味付けに使ってきました。中世ヨーロッパの書物「健康全書」のなかに、二人の農夫が緑の葡萄を搾っている細密画を見ることができます。「このまま飲むベルジュ」は古くて新しい魅力に満ちた飲料です。
「このまま飲むベルジュ」は、葡萄畑での実りを残さず活用し、こころみ学園の知的障害のある園生たちの活躍の場を広げ、ワインが飲める人も、ワインが飲めない人も、ワインが飲めるけれどあえて飲まない人も、みんなで笑顔になれるような美味しい飲み物をつくりたい・・・こんな思いから誕生しました。
おかげさまで「このまま飲むベルジュ」発売直前には、その開発の基礎となった「ベルジュ風*葡萄酢」が、JALの特別な国際線「サステナブル・チャレンジフライトで行くニューヨーク(2023.09.14-20)」に搭載されました。
サステナブルな仕事から生まれた、サステナブル飲料「このまま飲むベルジュ」。こころみ学園のワイン醸造場ココ・ファーム・ワイナリーは改めてその社会的役割を地道に果たしていく所存です。